和歌山と京都③ 【京都のケーブルカー跡】 [廃墟]

和歌山と京都② 【港町 加太のネコ】 の続きです。

 

3日目(最終日)は、京都市中心部のホテルを早めに出発し、

「愛宕山(あたごさん)」という山へ向かいました。

ここに「愛宕山鉄道鋼索線(あたごさんてつどうこうさくせん)」という

古いケーブルカーの跡があるのです。

まずは電車で嵐山に行き、そこから登山口までバスで向かいます。

京都には何度も来ているのですが、実は嵐山は初めてです。

でも、目的はケーブルカー跡なので、渡月橋だけを見て、

あとは素通りし、登山口へと向かいました。

渡月橋

 

登山口からケーブルカーの線路跡が続いているのですが、

ここを登って山上まで行くのは危険らしいので、

普通の登山道を登って、標高746mにある「愛宕駅」跡を目指します。

 

これがすごく急な登山道でして、かーなりキツかったです。

この道は石段が多く、山頂にある愛宕神社の参拝道なのであります。

途中まで登ったところで、愛宕山を甘く見ていた自分を反省しました。

これは本格的な登山の準備をしておくべきでした・・・。

ジーパンだし、非常食も持ってなかったです。

あまりにも軽装すぎました。

荷物はほとんどカメラとか三脚などの機材です。

でもせっかくここまで来たので、引き返そうとは思いませんでした。

 

そうしてると、途中に京都市内を望める場所がありまして、

息をのむ絶景に、一時疲れを忘れて眺めてしまいました。

日向と日陰になってるところががおもしろいですね。

よく見ると、京都タワーも見えますよ!

京都タワーも見えます

事前の調べでは、約1時間で駅跡に到着するとありましたが、

1時間必死で歩いてもまったく着きませんでした。

これも私の見通しの甘さ故ですね・・・。

1時間というタイムは、そうとうな健脚の持ち主ですよ。

登り始めて1時間50分でようやく駅跡に到着。

そこに現れたのは、ツタまみれのボロボロの駅舎でした。

愛宕駅

 

ゼエゼエ言いながら登山してきましたが、

これを見て疲れは吹っ飛びました。

なんてスバラシイ廃墟だろうか!

ツタが建物の形状をそのままに緑に染めている様子は、

美しいと表現できますよ。

 

 

それにしても、柱などかなりボロボロになっており、

内側の鉄骨も露出しています。

さすがは昭和初期の建築です。

80年以上もの間、よくぞ形を留めていてくれたものです。

 

では中に入ってみます。まずは1階。

愛宕駅の1階

ガランとしていて、なにもないですね~。

壁も柱も天井も、いたるところが剥がれ落ちています。

 

 

奥に階段がありますね。2階に上ってみましょう。

愛宕駅の2階

2階もガランとしてますが、床に雑草などが生えてます。

1階よりも天井が低いですが、窓が多くて開放的なかんじです。

 

 

外に出て、実際にケーブルカーが発着していたホームに来ました。

この写真はホームから駅舎を見上げたところです。

愛宕駅のホーム

ケーブルカーなので、ホームも斜面にあります。

両側のコンクリート部分がホームで、真ん中の凹んだところに

車両が到着するのですな。

 

駅周辺には木々が生い茂っていますが、

現役当時の頃は、大変見晴らしのよい駅だったそうです。

想像つきませんネェ~。

 

 

また駅舎に戻ります。

この建物には地下もありまして、機械室だった模様です。

愛宕駅の地下

ここもガランとしていましたが、機械が設置されていと思われる

コンクリートの基礎がありました。

ケーブルカーは、山上の駅に設けられたモーターで

ケーブルを引っ張って車両を動かすのであります。

 

 

さて、駅舎を満喫しましたので、名残惜しいですが下山します。

上りよりは下りのほうが体力的には楽でしたが、

足に負担が掛かり続けて、下についたときには足ガクガクでした・・・。

 

しばらくは足の震えが止まらず、カメラを構えてもブレまくります。

そんな振るえる足で写真を撮ろうとする自分って、

なんだか無性におもしろくて、笑ってしまった。

 

ではこんどは、下側から線路跡をたどって登ってみたいと思います。

線路跡

苔が生えて、しっとりイイ雰囲気ですよ!

真ん中の溝の中にケーブルが通っていて、

その両側のコンクリート上にレールが敷かれていたのでしょうね。

階段は整備点検のためですかな。

この路盤、何十年も放置されてる割には、

しっかりしたコンクリートだなと思いました。

 

ガクガクの足で登りかけたところで、夕立が降ってきました。

線路跡を撮りたいのですが、やむなく雨宿りすることにしました。

 

もう時間は夕方近くになっていました・・・。

この日のうちに岡山まで帰りたかったのですが、

まだまだ撮り足りていません。

だんだんひどくなる降りに、私は焦っていました。

 

そして約1時間たって、ようやく小雨になってきたので、

再び線路跡を登ってゆくことにしました。

この時点で午後5時前。

あんまし時間はないので焦って思わず駆け上がってしまいました。

線路跡は雨で濡れてて、危なかったかもしれません。

 

しばらくゆくと、トンネルがありました。

トンネル

 

トンネル内は土に埋もれていないので、

線路の路盤の形状がよくわかりますね。

トンネルの中

 

その後もさらに登ったのですが、

さすがにもう時間も体力も続かなくなってきましたので、

この辺で撮影を切り上げることにして、帰路につきました。

 

 

しかしこの愛宕山鉄道鋼索線、とてもすばらしい廃線跡でした!

もっと時間が欲しかったけど、十分に満喫できたと思います。

機会があったらまた来たいです!

 

そしてようやく嵐山まで戻ってきました。

当初のプランでは、午前中ぐらいでケーブルカー跡を撮り終えて、

午後はのんびり嵐山を散策しようかと思っていたのですが、

なかなか予定通りにはいかないものですね・・・。

明日は朝から仕事です。

またしても早足で嵐山を素通りし、駅へと向かいます。

 

雨上がりの渡月橋を歩きながら振り返ると、

山々がくっきりと見えました。

いちばん遠くに高く見えるのが愛宕山です。

雨上がりの渡月橋

雲がかかって幻想的な京都の山々はとても美しいです。

さっきまであの上にいたのだと思うと、達成感を感じました。

いろいろ大変でしたが、満足した気分で京都を後にしました。

 


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106シルバーカー

夕立、落雷がなくてよかったね。
予想外の雨も、現場では大変で一苦労だったろうけど
湿り気がトンネルを引き立てていて、良い結果になったのでは?
渡月橋の風景、懐かしいす。
加太に戻るけど、ポポに がうがう吠えられた?(笑)
by 106シルバーカー (2010-06-12 15:42) 

ichimannet


そうですね、雨上がりの線路跡や植物はシットリとしてて、
なかなかよかったです!
でもなぜか雨の後はカメラの調子がイマイチだったようで、
ノイズの入ってるカットが何枚かありしました・・・。

渡月橋の周辺、なかなかいい雰囲気でしたね。
またゆっくりと行きたいです。

106シルバーカーさんも、ポポに会っていたのですね!
私が最初会った時は、お食事中でして、
部外者が来ようと食事に夢中でした。
で、食べおわったあと、人形のとなりにやってきて、
私に向かってがうがう言いだしました
なによりも、食事優先らしいです・・・(笑)
by ichimannet (2010-06-12 21:50) 

ミムラネェ

こんにちは
ずいぶん高い所まで一気に登られたんですね~
また行かれる時も、気をつけて行かれてくださいね(笑)
その甲斐あってか、素晴らしい眺めですね~
街の影は雲の影でしょうか?
廃墟も廃線トンネルも雰囲気バッチリですね♪
ichimannet さんが撮影してくれたから、見れた風景ですね!(〃∇〃人)
by ミムラネェ (2010-06-14 15:18) 

ichimannet

ミムラネェさん
予想外の京都の絶景に、得した気分でした!
自分の脚で登ってきたので、ちょっと感動であります。
わりと雲の多い日でしたので、
影になってるところは、雲に日光が遮られている部分です。
私が撮影したから見れた風景…そう言っていただけますと、
とても撮った甲斐がありましたよ。
また今後も未知の風景を求め歩きたいと思います!
こんど山登りのときは、十分な準備をして行きますね。
お心遣いありがとうございます!
by ichimannet (2010-06-14 22:29) 

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