福井城址へ立ち寄る [町並み・建造物]
もうだいぶ前になりますが、今年のGWに福井方面へ行ったときに、
とある用件で福井市ヘ立ち寄ったのですが、
サラっと中心部あたりを眺めて立ち去ろろうと思っていたところ、
チラっと城跡が見えたものですから、これはもう見てみぬふりはできず、探索してきました。
※この記事は、私の勝手な見解と感性で執筆しています。
お城や歴史の知識は皆無です。
間違っていたり勘違いしていることがあっても、どうかご容赦下さい。
「少しだけ・・・」と思いながら何気なく石垣を眺めていると、
いとも簡単に刻印を発見しました!
さらにそこから少し歩いただけで、こんどは「又」のような刻印を見つけて、さらにテンション
↓こちらは以前に福山城で石垣の刻印を発見した記事です。
http://ichimannet.blog.so-net.ne.jp/2011-02-17
この時から、各地の城跡へ行く機会があるたびに刻印を探しています。
ですが、正直どこの城跡でも、あまり刻印を見つけられていなかったのですが、ここ福井城址ではあっさりと、しかも次々と見つかったため、久々に大興奮!
これは、福井地震で崩壊したという控天守台の石垣なんだそうですが・・・
この石垣の内側をよく見ると、なにやら文字が書かれてますよ!
こんな見えないところにも、なにか残されているんですね!
なんて書いてあるんでしょうか? 残念ながら近くで見ることはできません・・・。
しかし、これでもう完全にヤラれてしまいました・・・。
完全探索決定!
時間をかけて、石垣を見てまわりましょう。
すると、次から次へと、大量に見つかる見つかる!
お堀の外側から望遠レンズで探しながらぐるっと一周。
あるわあるわ、刻印のオンパレード!
こんなにすごい(刻印の多い)城跡は初めてです!!
ところで、全国の有名な城跡の多くは、天守閣が建っていたり公園になっていたりと、
名勝地としてお城の雰囲気が残されているところが多いと思います。
ですが福井城址の場合は、石垣はお堀はそのままで、
その内側の本丸跡に県庁や県警本部などが建っているんです。
堀に囲まれた石垣の上にビルが建つ風景には、違和感を覚える方も多いでしょう。
城跡ファンからすると、こんなのは「けしからん」ことかもしれません。
しかし私は、これはこれでなんだかイイなぁ~と思うのです。
何百年もの時代が流れても、変わらずにこの場所が行政の中心地として生かされていることに、
感動を覚えます。
私は全国にどんな城跡があるのか詳しく把握してはいませんが、
こんなふうに活用されている城跡は、あまり例がないのではないでしょうか。
そもそも時代や文明が違うわけですし、
戦闘を前提とした石垣は現在では必要のないものでありましょう。
また、そんな石垣の上に現代文明のビルを建てる際には、多くの制約があったことでしょう。
過去の遺物を現役の行政機関として使用するわけですから、
いろいろと不便なことも多いと思います。
古いものを生かして使うって、けっこう骨の折れることのはずです。
でも、石垣の上に立つビルは、これはこれでなんだかカッコイイです!
県の中枢機関が、貧相な佇まいではサマになりませんが、
ここ福井県庁と県警本部は、重厚な威厳と風格を漂わせているように見えます。
お堀に掛かる橋を渡って石垣の内側に足を踏み入れる時、
そこから空気が変わるような緊張感が感じられました。
襟を正してから立ち入らねばならないような何かがここにはあります。
ここには、福井の人の「誇り」や「美学」のようなものがあるのかもしれません・・・。
では、さらに石垣を眺めて行きましょう。
微妙に角度の異なる傾斜。計算されているのかいないのか、とにかく素敵な台形。
これを“素敵”と見るか、“不恰好”と見るか。
人によって様々でありましょう。
というか、興味ない人がほとんどだと思いますが・・・。
この右上の角に向かって微妙にカーブしているところが、すごくかっこいい!
惚れ惚れします。
何のためにこうなっているのかはわかりません。
敵の侵入を防いだり威嚇する効果があるのか、
構造上の必然なのか、建築技術の高さを誇示しているのか、
それとも単に美しいからか・・・。
いずれにせよ、ほんとに日本的な曲線だなぁと思いました。
この石垣の角がビミョーに太くなってカーブしているのを見て、私は文字のようだと思いました。
↓
↓こういうのです。参考までに・・・
こんなふうに見えるのは、私がレタリング好きだからというのが主因なんです。
最近は機会が減ったのですが、以前によくレタリングで文字を書いていた際に、
「はらい」などの始まりや終わりの部分を微妙に太く書くことで、
力強く立派な文字になるのです。
こういう若いころの経験が、ずっと私の頭に残っていて、
おそらくは、今の私のモノを見るときの感じ方に、少なからず影響しています。
そんなこんなで、今回私はこの微妙にカーブする石垣に心奪われたのだと思います。
また、同じ日本人が作ったものが、モノは違えど、
どこかしら似ていたり、彷彿させたりということは、よくあることなんだろうと思いました。
日本古来のものなどに見られる、外見上のデザインの共通点は、
他にもいろんなものに関連しているのかもしれません。
これは今後も追求すべきことだと思っています。
別の場所にやって来ました。
正面からお堀を渡って本丸跡へ入るところにある石垣です。
またここの石垣もカーブしてます。
かなり隙間なくきれいに積まれた石たち。
うん、素敵!
基本的には四角い石を積んでいって、その完成した姿でカーブが表現されています。
これを計算して作っているのか、行き当たりばったりで作っているのか、
考えていると楽しい気分になってくる私は、かなり変態なんだと自覚すべきですね。
流れるように石を積んでいく工程。
それはどんなふうな作業だったんでしょうか・・・。
また、よく見ると、ところどころで四角ではない石もあります。
四角い石をちょっと削って調整しています。
現代の建築とかで、タイル貼りの床とかに、もしこういうふうな“調整”があったとしたら、
たぶんけっこう見苦しいものでありましょう。
(タイルを画一的に並べていこうとしたけど、ちょっとズレてきたので、タイルを一部削って調整しちゃった、テヘッ♪ みたいな・・・)
しかし、お城の石垣においては、こういう“調整”は、目立つこともなく見苦しくもなく、
むしろなんだか微笑ましく思えてくるから不思議であります。
アナログで手作業の時代のこんな“調整”からは、
当時の職人さんの人間味や苦労が伝わってくるような気がします。
あ~、福井城址を満喫しました!
数年前までは、自分がお城の石垣に興味を持つなどとは、夢にも思っていませんでした。
年をとっていくにつれ、新たなものに興味が湧いてくるものなのですね・・・。
福山城での“刻印”との偶然の出会いで始まり、私の感じるままにお城が好きになりました。
以前から私の中にあった何かに、石垣や刻印といったものが引っかかったのですね。
自慢ですが、
「探求したいことがある」 = 「今後の人生の楽しみ」
を、いろいろと持っている私は幸せ者です。
それではまた、お城へ行きたいと思います!
知識は皆無などとご謙遜ですが、石垣の刻印に目が行くなんて
さすがであります。
お城ファンの息子によれば、まがい物の天守閣より石垣なんだそうです。
こうやって刻印とか発見すると、時空を超えて伝わる何かを感じてワクワク
します。
本丸に県庁や県警がある所見、成程です。今も昔も政治の中心って事ですね。
どこかの城は軍の基地になって更に自衛隊の駐屯地になってる所もあったような…
新潟の新発田城だったかな??
お城の機能からすればアレも妥当なのかもしれません。
また福井県に縁があれば、少し北にある丸岡城がオススメです。
小柄ですが現存天守閣です。
レタリングの話はユニークなるも妙に納得できるものがあります。
確かに!
この2ヶ月の間に福山城、岡山城、備中高松城へ行きました。
それぞれ味のある城でした。城めぐりも楽しいです。
あ、それから横浜でも社宅をぶっ壊してます。
アメブロのほうに記事書いてますので御笑覧ください。
長文失礼しました。
by りかの配偶者 (2013-07-06 23:38)
りかの配偶者さん
いえいえ、ほんとに私は無知なんですよ。
石垣の構造や作り方さえもよく知らないんです。
それに、お城がいつ誰によって建てられたのかも、よく知りません。
単に石垣の見た目が好きなだけですよ。
でも、時空を超えてなにかを感じるというのは、まさに私も同じであります。
本文で書いてはいませんが、実は丸岡城にも寄ってきました。
朝早かったために天守閣には入れませんでしたが、すごく味のある建築でした。
新発田城跡を自衛隊が使っているなんて、それもまたおもしろいですねー!
そのうち訪れてみたいものです。
そして、岡山近辺のお城にもお越しになったんですね。
出張の合間に精力的に行動されていて、さすがだなと思いました。
貴重な機会を逃さずに、時間を工面することって、簡単なようで難しいと思います。
あと、社宅・団地は、全国どこでも壊されてますねぇ。
見慣れていた風景が知らないうちに消えてしまっていて、唖然とすることがよくあります。
でもまぁ時代の流れなのでしょうがないと納得するしかありません。
アメブロのほうもちょくちょく覗かせてもらっています。
それにしても、お父さんと同じ趣味を持つ息子さんって、すごい!
またぜひ息子さんといっしょにお城訪問してきてください。
by ichimannet (2013-07-08 22:51)