大阪城築城残石群 [廃墟]
先日、岡山県瀬戸内市にある「前島」という島に渡ってきました。
「日本のエーゲ海」と称される、「牛窓(うしまど)」というまちにある島です。
この日は急ぎの仕事だったし、天候も悪くゆっくりできませんでしたが、
「大阪城築城残石群」だけは見てきました。
ここは、つまり名前の通りの場所でありまして、
約400年前に大阪城を建立する際に、石垣に使う石を、
瀬戸内海の島々から切り出して使用したのだそうです。
この近辺の島には石の産地が多く、現在も産出している島も多いです。
この前島の山道を歩いていると、突如として、
角ばった巨石がゴロゴロと置かれている場所が出現します。
直線が多い石ばかりが置かれた風景は、
自然にできた岩場とは少し異なる雰囲気であります。
まさに、石が放置されたような状態になっているのです。
これらの多くの石には、角にギザギザの凸凹があります。
これは「矢穴」というものでありまして、
大きな石を割るために、一定の間隔で岩に穴を開け、
そこに矢のようなのを打ち込んで割った跡なのです。
この島で石を切り出して、その場である程度
運べる大きさに割ったのだろうと思いますが、
ここにあるのはちょうど加工している過程の石です。
なぜ、このように中途半端な状態でたくさんの石が放置されているのかは、
謎であります。
おそらく当時この島は、大阪城築城の特需で大賑わいだったことでしょう。
しかしあるとき、その需要が満たされたと連絡が来るなどしたのでしょうか。
その途端に、島に働きに来ていた人々は、
「もうこんな小さな島には用事はねぇ」 と、
仕事をそのまま放置して去っていったのかな・・・? などと勝手に想像してみました。
人のいない山の中で、人の営みの痕跡が残っているなんて、
ちょっと不思議な感じであります。
しかも、400年も前のものであります・・・。
「石」って何百年とかいう時間を経ても、
ほとんど変わらない姿で存在し続けるってことですね~。
ツツジの花は、ほんの短い間だけ咲いては散っていきます。
ずっと変わらない石と、一瞬の花ですね・・・。
この時間の流れの違いを写真で表現するのは難しいですね。
これは見事ですね。見に行きたいものです。
牛窓の港までは行った事があります、まだブルーラインが無料だった頃です。
あの辺、今は瀬戸内市になってるんですね。
by りかの配偶者 (2010-05-01 02:58)
りかの配偶者様
なかなかよい所でしたよ!
遠いですが、またゆっくりお越しになってください。
今回私は1箇所を短時間見ただけでしたが、
もっとゆっくりじっくり散策したら、
もっとたくさんの石を見つけられるはずですので、
私もまた行きたいと思います。
by ichimannet (2010-05-01 22:53)