2011GW その② 群馬県へ [廃墟]

2011GW その① 長野県富士見町から山梨県へ の続きです。

山梨県から群馬県に移動してきました。そして埼玉県との境あたりにある「矢納水力発電所」跡に行きました。

矢納水力発電所

 

新緑が茂る木々の間に、立派なレンガの建物がひっそりと残っていました。

あの丸いのは碍子

“安全第一”が出迎えてくれます。

 

中へと入ってみると、特に残されている機械などは無く、ガランとしています。

壁の赤いところはレンガが露出している部分で、その上から白い塗料のようなものが塗ってあるのですが、これはおそらく漆喰だと思われます。室内を少しでも明るくするためですね。

ガランとしています

いろいろ機器が置かれていたようです

 

奥にあった工具置き場の跡。工具自体は一つも残っていませんでしたが、壁に工具の絵が描いてあり、収納場所が一目でわかる!

工具置き場の跡

 

すぐ前にある河原に下りてみると、なんだかミョ~に表情のある砂防ダムが・・・

ナミダとヨダレ

ナミダをいっぱい流しながら、ヨダレもでてるよ、みたいな・・・

 

 

 

このあとは、富岡市に移動しました。
富岡市に来たのは、あの有名な歴史的建造物を見たかったからです。 
教科書にも載っているあの「富岡製糸場」です。
富岡製糸場にやってきました 
「富岡製糸場」というのは簡単に言いますと、繭(まゆ)から生糸(きいと)を作る工場です。日本初の近代的な機械を使う製糸工場で、明治初期に完成しました。

 
この扉がいっぱい付いている建物は、繭を保存しておくための倉庫なんです。すごーく長い! 百メートルちょっとあるんです。超圧巻です。
西繭倉庫、とにかく長い!
骨格は木造で、壁はレンガを使い、屋根は瓦でできています。当時のフランスの技術と日本の技術を融合させたモダンな建築であります。

 
そうそう、ちょうどボランティアの方の説明が始まるところでしたので、私も参加して、製糸場の中を案内していただきました。
ボランティアの方の説明を聞きました
このボランティアの方、とても独特なぼやき口調の毒舌で、終始笑わせていただきました! とても楽しかったです!
その説明の中でも「ほぅ~」と思ったのが以下の部分です。
修繕した跡
この真ん中の扉だけ、黒い金具がありませんね。その扉の右下あたりのレンガの色もちょっと異なります。
実はここだけ破損したそうで、後に補修した跡なんだそうです。

オリジナルの状態の扉にはフランスから輸入した黒い蝶番(ちょうつがい)が付いているのですが、この扉だけは後から修理したので日本製の蝶番が使われているそうです。フランスの蝶番は機能のことだけしか考えられていないそうで、無骨で段差があり見た目が不格好ですが、日本の蝶番は外からは目立たない位置に取り付けられてすっきりしているのです。

また、レンガの色についてですが、高い温度で焼かれたレンガほど、濃い赤色になるのだそうです。
レンガを焼く技術が未熟な頃は、窯の温度が低いためオレンジ色で、しかも個々のレンガによって色にバラつきがあります。
しかし補修部分のレンガは、濃い赤色で、濃度も均一になっていますね。
修理したときには、それだけ技術が進歩していたということだそうです。
すごく勉強になりました!
  
それでは次に、実際に繭から生糸を作る工場の建物へ行きます。
繰糸所外観
この建物は「繰糸所(そうしじょ)」と言うそうです。さっきの倉庫と違って、窓が多い建物です。
ここも和洋折衷な建築で、すごくカッコイイですね~。


内部はこんなかんじです。ビニールに覆われていますが、操業当時の機械が置かれたままになっています。「工場」って雰囲気ですね~。
繰糸場の内部
窓が多いことによって、室内は思った以上に明るいです。これなら昼間は電気つけなくても作業は可能ですね。

天井は木造のトラス構造になっていまして、これもフランスから来た技術だそうです。それまでの日本家屋だと、屋根を支えるために真ん中に柱を建てないといけませんでしたが、トラス構造の天井にすることで真ん中の柱が不要となり、広い室内空間が確保されています。

この繭から糸を作る機械ですが、これは創業当時のものではなく、昭和40年代頃に導入された近代的な機械です。工場が閉鎖となる昭和62年まで使われていました。じつはニッサン製だそうです。
現役当時のままの雰囲気
今は動いてはいないですが、整備すればまだ動きそうですね。
まだ動きそうな機械

ちなみに、創業当時はこんな様子だったそうです。なんだかシンプルですね~。
出来た当時はこんな様子
上にある糸を巻き取る部分が自動で回転し、当時でもたいへん画期的な生産設備だったそうです。

富岡製糸場では、明治の創業当時の建物のまま、内側の生産設備だけを何度か新しいものに入れ替えてきたそうです。
本来、工場というものは、設備を新しくしようとすると建物自体もいっしょに建て替えるものだそうですが、この建物は変わらずにずっとそのまま。
それはつまり、最初に建てた建物が大変汎用性に優れていたということと、出来てから140年ほど経ってるというのにほとんど傷んでないということが、この富岡製糸場のスゴいところなんです。



最後に屋根の上を見上げると、可愛い避雷針(ひらいしん)が立っていました。これも創業当時からのものだそうです。
避雷針がカワイイ

 

 

それではまた、2010GW その③ へと続きます・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

では最後に・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

プハァァァァァ~~~~

プハァァァァァ~~~


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コメント 4

やお

いい写真ですねぇ。
廃墟はやはりもの悲しくて、さびしくていいですね。
by やお (2011-05-15 23:57) 

ミムラネェ

こんにちは
緑の中の矢納水力発電所がいいですね~
まんまるの部分がデザイン的で面白いです^^
富岡製糸場もモダンな建物だったんですね!
避雷針もウンウン(*゚▽゚)*。_。)かわいい♪
by ミムラネェ (2011-05-16 13:57) 

ichimannet

やおさん
やおさんもこの雰囲気お好きなんですね!
私もそんな場所にひとり身を置きたくいて、また廃墟へと通います。
by ichimannet (2011-05-16 22:33) 

ichimannet

ミムラネェさん
こんにちは!
この発電所、事業用の建物なのに、こんなに凝った建物を作るなんて、素敵でありますね~。
富岡製糸場も、避雷針のようなどうでもいいようなところにまでかわいらしい凝りようで、なんだか微笑ましいです!
by ichimannet (2011-05-16 22:39) 

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