2010 九州その① (福岡~大分) [廃墟]

大変遅くなりましてごめんなさい。

8月末から10日間ほど行きました、九州への撮影旅行について、

詳しく書きます。

 

まずは初日、岡山から新幹線に乗車。

九州の玄関口、小倉へと向かいました。

小倉でレンタカーを借りて、大分へ向かいます。

小倉から南下していくと、まずはこれが見えてきました。

日本セメント香春工場

いやぁ~、デカイですね!

煙突に書いてありますが、香春(かわら)町にあるセメントの工場です。

いまはもう稼動していないのかな?

じっくり見たいとも思いましたが、今回ここは目的ではないので、

遠くから軽く眺めただけで、足早に次へ向かいます。

 

車を走らせていると、どこかで道を間違えたのか、田川市に来てしまいました。

田川に来たら、ここへ寄らないではいられません。

炭住とヤグラ

「田川市石炭・歴史博物館」であります。

さっき「足早に」とか言ってたのに、もう寄り道してます・・・。

 

炭鉱時代の、炭住(炭鉱住宅)が再現されています。

その後ろにあるのは、炭鉱の坑道へと入るためのヤグラです。

ちょっとなつかしい風景に癒されますね~。

 

この炭住の中には、昭和の家庭の風景が再現されています。

昭和の炭鉱住宅

ちゃぶだい、鏡台、ラヂオなどが、いい味出してますね。

こんな家で一度生活してみたいです。

 

こちらは台所。

昭和の台所

土間がいいなぁ~。

実は私、土間の台所のある家にあこがれているんです。

台所は屋外と繋がっているのが機能的であると信じています。

例えば、庭で栽培しているネギを取ってきて、そのまま刻むような場合、

履物を脱いだり履いたりしなくてもいいのであります。

または、米のとぎ汁をそのまま捨てるのはもったいないので、

花の水やりに使いたくても、すぐに外へ出られるのが理想的です。

 

そんな、炭鉱とは全く関係ないことを考えながら、資料館を一巡。

展示も充実していて、なかなか楽しめました。

 

 

 

そこからは一気に南下し、大分県に入り、玖珠(くす)町へと着いた頃には

かなり日は傾いていました。

ここに来たのは、これを撮るためです。

(やたらと黄色い画面は、夕日に照らされているからです)

夕暮れの豊後森機関庫

豊後森機関庫(ぶんごもりきかんこ)っていいます。

ずっと前、蒸気機関車の頃の、車庫であります。

手前の赤いのがターンテーブルというやつでして、

この上に蒸気機関車が乗って回転し、周囲に放射状に伸びた線路に入って、

車庫の中へと入ります。

いまはもう使われていませんが、この建物は大変貴重な産業遺産なので、

取り壊されず保存されています。

私はここへ来たのは2回目ですが、 今回はじっくりと撮影できました。

機関庫の内部

どこから撮ってもかっこいい

この建物、どこから眺めても絵になります。

いくら撮っても撮り足りないほど、構図が選び放題という状況。

夕景を撮って、夜景を撮って、近くのホテルに宿を取り、

そしてまた朝も撮影しました。

夕方と朝では、日の当たる方向が違うので、

それぞれ違った表情が現れ、バシャバシャ撮りまくりました。

 

機関庫のすぐ横を、現役の久大本線が走っていまして、思わず鉄分補給!?

すぐとなりを現役の列車が走ってます

 

 

 

もっともっと豊後森機関庫を撮りたい気分でしたが、

いつまでもここにいては数がこなせません。

ようやく出発して、次に向かったのは・・・

宮原線のアーチ橋

山の中にあるアーチ橋であります。

これは宮原(みやのはる)線という廃線跡に残っている遺構であります。

宮原線には、いくつもの見事なアーチ橋があり、現在も保存されています。

 

ここはちょっと高いところから見下ろす場所なんですが、

どうにか近くまで行けないかと、道を探して細い農道に入ったとき、

なんと、車の前輪が溝にハマって動けなくしまいました!

 

うぉぉ、なんてこった!

(すいません、ホントにあせってしまって、脱輪したところの写真を撮り忘れました)

 

すぐにJAFを呼ぼうとしましたのですが、ケータイは圏外・・・。

しょうがないので、近くで電話を借りようと歩いていると、

豆腐屋さんがありましたので、そこでたずねてみました。

すると、従業員の男性数名が、いっしょに車を押しにきてくれ、

見事に脱出することができました!

助けてくださった 岡本とうふ店の皆さん、ほんとにどうもありがとうございました!

 

 

この場を借りて紹介しますが(笑)、今回の相棒、ホンダ・ライフ君であります。

今回の相棒ですが・・・

 

ドロドロです・・・

泥まみれです・・・ 

 

 

で、では、気を取りなおして次のアーチ橋に向かいます。

テンションは下がり気味ですが・・・

 

 

牛の放牧をしている、のどかなアーチ橋もありました。

放牧牛とアーチ橋

 

この橋の橋脚部分には、穴が開いていまして、意図されたデザインのようです。

アーチ橋に空いている穴

ただの橋というだけでなく、エレガントなたたずまいが素敵です。

これが戦前にできたといいますから、すごく贅沢ですね。

 

 

 

 

 

さて、宮原線のアーチ橋を満喫しましたので、次に向かいます。

ここは「白水溜池堰堤(はくすいためいけえんてい)」というところ。

白水溜池堰堤

つまりは昔のダムですね。

石造りの見事な斜面を、白い水が滑り降りています。

なんて涼しげなんでしょう~。

この流れの美しさは、もう見事という他ありません!

特に、曲線の美しさは、特筆ものです。

曲線が素敵

そして、流れる音が「さーーー」っというきれいな音で、

これも計算されて作られたのか、とても聞き心地がよかったです。

 

このダム、写真で見ると大きさがいまいち分からないと思いますが、

実際に間近で見ると迫力あります。

ちなみに下の写真、向こうに人が見えます(右上のほうに2人)。

真上から見る堰堤

 

 

 

 

さて、いよいよ今回の大分県で最後の見所です。

豊後大野市にある沈堕(ちんだ)発電所跡というところに来ました。

ここへは、ずっと来たいと思っていて、ようやく実現しました~。

 

水関連の物件が続きますが、九州に来て思うのは、どこも水が豊富だということ。

岡山が晴れの国すぎるのかもしれませんが、九州は雨が多いと感じました。

また、探そうとしなくても滝をよく目にするし、川の流れも豊かに感じます。

ここもすぐそばを水がたくさん流れていました。

沈堕の滝と発電所跡

向こうにあるのは「沈堕の滝」という名瀑でありまして、

手前の通路の左右にある、なにやらあやしい遺跡が沈堕発電所跡であります。

 

発電所の壁には、たくさん植物が繁茂していて、すごくよかったです。

沈堕発電所の壁

これですよ、これ!

長い年月を経た廃墟のこのような壁に、私は魅了されます。

発電所としては不要になった建物でも、

植物たちは暖かく迎え入れているようなかんじがするのです。

ほんとに来てよかった!

 

ここを対岸から遠望すると、このようなかんじです。

ほんとにおしゃれで優雅な作りですね~。

発電所が作られた明治時代、電気はまだまだ貴重なものだったのでしょう。

この建物を見ていると、電気を生み出す施設が、いかに重要なものであったか、

分かる気がしてきます。

対岸から見た沈堕発電所

 

 

さすがは大分県、多くの近代的な歴史遺産を残されていて、

そのどれもがすばらしいところばかりでした。

これは地元の人々が、そんな遺産たちを誇りに思い、

大事にしてこられたからだと思います。

そんな地元の方々に拍手を送りたいと思います。

 

私は大分県を足早に周っただけですが、

今回は見逃した以外にも、多くの遺産があるようです。

またゆっくり来たいです、大分県。

 

 

 

 

 

 

 

では最後に・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

プハァァァ~~~

プハァァァ~~~

 

2010 九州その② (宮崎) へと続く


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コメント 6

いつか

九州旅行の日記、楽しみにしていました!
色んなところへ行かれてて、興味深いです。アーチ橋と牛が写ってる写真が外国にきたみたいに見えます。スイスとか…。
沈堕の滝の写真も、アジアのような雰囲気を感じました。
高校の修学旅行と大学の卒業旅行で2回九州に行ったことあるのですが、大分にこんな魅力的な遺産や景色があるとは知らなかったです。今度行く機会があったら、白水溜池堰堤に行き、ぜひまじかでダムの迫力を感じたいです。

ちなみに最後のお風呂の写真、とーっても気持ちよさそうですね!!これは温泉ですか?何温泉ですか?
左の「浅い←→深い」という看板が、親切ですね。お人形も味があっていい感じ!真ん中の看板になんて書いてあるのかちょっと気になりました。

私もおととい、みーちゃんと3人で初の旅行に行ってきました。心配されるので親には内緒だったのですが、しばらくしたらブログにも書こうと思います!
by いつか (2010-09-15 13:53) 

ミムラネェ

こんにちは~
素敵な旅の始まりですね~(*≧m≦*)ワクワク
大分県、こんな風に視点を変えるとまた、魅力的ですね~
豊後森機関庫、割れたガラスもまるで模様の様に見えます^^
古い洋式建築物はアーチがデザイン的で素敵なモノが多いですね!

最後の温泉の写真、とっても気持ち良さそう~(〃∇〃人)
by ミムラネェ (2010-09-15 14:25) 

ichimannet

いつかさん
アーチ橋と牛、なるほど、スイスみたいですか~?
それ以外は完全に日本の田舎の風景でしたので、この場所だけちょっと異国情緒がありますね!
いつかさん、修学旅行で九州行かれたんですね~。どこへ行かれたのでしょう? 九州で言う有名な観光地だと、別府温泉、阿蘇山、長崎、霧島など、それらもすべてイイところで、私も大好きです。でも今回私が訪れているのはマイナーなところばかりなので、一般に九州旅行といって行く人は少ないと思われます。でもどこもオススメです!
最後のお風呂は、玖珠町でたまたま泊ったホテルの大浴場であります。いちおう温泉だそうですが、有名なところではないです。いい湯でした!
「浅い←→深い」って、よく読めましたね~!
まんなかの看板は、こう書いてあります。

 この街でみる風景が、
 暖かい街の人達が、
 童話を語るように
 安らぎを与える街
 玖珠!
 例えここが「童話の里」だとしらずに
 訪れたとしても
 きっと誰もがなつかしさを覚え
 童心をくすぐられる
 旅が出来そうです。

あまり玖珠の街をゆっくり見なかったので何ともいえませんが、確かに居心地のよさそうな街だという印象です。

それと、ご家族3人でご旅行に行かれたんですね! 素敵じゃないですか~! どこへ行ったのでしょうか? またブログ楽しみにしてます!
by ichimannet (2010-09-15 20:03) 

ichimannet

ミムラネェさん
こんにちは!
大分県、視点を変えても変えなくても、とてもいいところでした! 次回はゆっくりと別府で温泉三昧したいものです。
豊後森機関庫の割れたガラス、私もこのガラスがなんともいえないイイ味出してるな~と思っていました。
アーチを取り入れた建築物たちは、レトロで美しいですね~。私がもし家を建てるなら、アーチをふんだんに使用したデザインにしたいとか思ってます。
一日、撮影で走り回った後の温泉、めちゃ気持ちよかったです!
by ichimannet (2010-09-15 20:17) 

いつか

九州はすごくメジャーなとこしか行ったことないです(^^;)大宰府天満宮、熊本城、吉野ヶ里遺跡、ハウステンボス、阿蘇ファームランド…あと短大の卒業旅行でも、湯布院、別府地獄めぐりをしました♨なので3回でした。
真ん中の看板の文章、わざわざどうもありがとうございます!ほのぼのとした詩ですね。玖珠町のHP見ましたが、のんびりとしたよさそうなところですね。童話の里なんですね~☆

家族では特急「しおさい」に乗って千葉の旭に行きました!九十九里浜を散歩してきました。のんびりできてよかったです♪
by いつか (2010-09-16 14:19) 

ichimannet

いつかさん
ご家族で九十九里行かれたのですね。いやぁ、なんだか楽しそうだなぁ~~! 私は九十九里には行ったことがないのですが、イメージでは広々してて、のんびりできそうな場所ですね。「しおさい」って列車名が、なんとも言えず、初秋の海のイメージにマッチしているような気がします。
おぉ! 九州、なかなかイイところ行かれてますね~! 九州いいとこ取りといったかんじですな。吉野ヶ里遺跡は、だだっ広いかんじが僕も好きです。別府の地獄めぐりも、忘れられないほどのインパクトがありますね。
玖珠町のHP見られましたか~! 今思い出してみると、玖珠から見える山の形に特徴があり、きれいな風景だったと思います。有名観光地ではないですが、のんびりするには最高な場所ですね!
by ichimannet (2010-09-16 21:38) 

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