2010 九州その② (宮崎) [廃墟]

2010 九州その① (福岡~大分) の続きです。

 

大分県を満喫した後は、宮崎県に向かいました。

最初に訪れた場所は高千穂です。

下から見上げた高千穂橋梁

この橋は、「高千穂橋梁(たかちほきょうりょう)」と言いまして、

高千穂鉄道で最大の橋でした。

「でした」というのは、すでにこの鉄道が廃止されているからです。

まだそんなに古くないし、こんなでかい建造物がもう使われてないなんて、

かなりもったいない気がします。

上から見た高千穂橋梁

写真では分かりにくいのですが、

この橋の下はめちゃくちゃ深い渓谷になっています。

高千穂というところは、とても険しい地形でありまして、

非常に深い谷が多いのです。

街も坂道だらけで、どの家も斜面に建ってるという印象です。

 

高千穂周辺の鉄道や道路には、たくさんの橋があります。

その多くが深い谷を跨ぐ、長大でダイナミックな橋です。

道路にせよ鉄道にせよ、通すのにとても苦労しているなと感じました。

莫大なお金がかかってますね。

 

その高千穂鉄道は、2005年の台風により、甚大な被害を受け、

列車の運行ができなくなってしまい、そのまま廃止となってしまいました。

 

ですので、廃線となってから、あまり年数が経っておらず、

鉄道の遺構が多く残されています。

この日は高千穂駅から延岡まで、鉄道跡に沿って遺構を撮影しました。

線路跡

 

と、その前に、この日、高千穂のスーパーでパンを購入したのですが、

これを食べて、私はすごく驚きました!

「さとうパン」のミルクアーモンド

実は、私が子供の頃に、祖母の知り合いの方が焼いたパンを、

しょっちゅう頂いていました。

やわらかくて素朴で優しい味で、私は大好きでした!

 

そのパンを食べていた頃から、もう四半世紀もたっているのですが、

ほんとに久しぶりに、その記憶と味覚がよみがえってきました。

このスーパーのパンが、

そんな遠い記憶の中のパンにそっくりだったのです!

とてもなつかしい味でした

これにはびっくりしました!

涙が出るほどうれしくて、懐かしかった!

同じようにやわらかくて優しい味わいで、とてもおいしい!

 

このパン、「さとうパン」という名前のパン屋さんのパンなのですが、

袋にも連絡先とか何も書かれていません・・・。

ほんとにそのへんのポリ袋に入れただけというかんじです・・・。

帰ってからネットで調べれば、

どこのパン屋さんなのかわかるだろうと考えていましたが、甘かったです。

なにも手がかりなし・・・。

 

また食べたいと思っていますが、

食べるにはまた高千穂に行くしかありません・・・。

また行く理由ができました。

 

 

そして、高千穂鉄道に沿って、車を走らせます。

道中にはたくさんの鉄道橋がありますが、

あまりにも多いので1枚だけ。

橋の上に育つ植物

やはり出ましたアーチ橋。

レールはまだ残ってて、その間には雑草が茂っています。

この写真は、併走する道路から見下ろして撮っています。

 

この付近も急斜面な谷底に鉄道と道路を通していまして、

よほど線路を敷く土地が無いのか、

川の流れと平行にずっと橋が作られていました。

 

 

 

こんどは、とある駅跡にやってきました。

駅の建物はもうありませんでしたが、レールやホームは健在。

なんとなく夏の終わりを思わせるような風景でした。

辺りは、セミの鳴き声だけが響いていました・・・。

もう夏も終わりだ

 

ふと反対方向を見ると、少しだけ虹が出てるではありませんか!

駅跡の虹

よく見ると、外側にもうひとつうっすらと虹がありますね~。

 

そんなこんなで、この日は高千穂鉄道跡を堪能しました。

ここで気づきましたが、今回の旅ってやたらと鉄道関係が多いです。

まだこのあとも鉄道でてきます。

 

 

 

 

あくる日は、今回の旅で最も到達困難な物件に挑戦しました。

物件名はお伝えできませんが、とある渓谷にある発電所跡。

川の対岸にあって、橋などはありません。

対岸の発電所跡

正確に言うと、以前は吊り橋があったようですが、

今はもうありません。

吊り橋のワイヤーのみが空しく残っています。

 

ここへ行くには、川渡りをせねばなりませんね。

しかしけっこう急な流れで、どこをどうやって渡っていいのやら・・・。

どうやって渡ろうか・・・

で、以下の場所が最適かな、と見定め、

この日のために準備しておいたスパイクつき地下足袋を履いて、

カメラと三脚を背負って挑戦!

ここを渡った

結果、どうにか渡ることができました!

しかし、怖かった・・・。

川の流れって、こんなに速くて力の強いものだなんて知りませんでした。

何度も流されにそうになりましたが、どうにかこらえました。

もちろん、下半身はびしょぬれ。

でも念願の発電所跡にはたどり着くことができました。

発電所跡の外観

この発電所、作りが重厚であり、

朽ちるに任せた荒廃具合が、なかなか見事であります。

発電所跡の内部

屋根はもうほとんど落ちていますが、少し屋根瓦などが残っており、

落ちてきそうでちょっと怖かったです。

 

撮影に没頭していると、雨がパラついてきました。

それもだんだんと強くなる一方です・・・。

傘も持っていませんし、なんといっても川が増水して

帰れなくなることを思うと、とても不安な気持ちになってきました。

昨日までは、「九州は水が豊かで素敵だ」 などと思っていましたが、

このときだけは、水に対して恐怖心を持っています。

 

そこで、まだまだ撮りたいとは思ってたのですが、

川が増水しないうちに戻ることにしました。

再び機材を担いで川に入ろうとしましたが、

気のせいか来た時よりも水量が増えてるような気が・・・。

上流では既に激しく降っているのかもしれません。

 

しかしここはどうしても帰らなくてはいけません。

気合を入れなおして渡ることにしました。

気のせいではなく、水量は明らかに増えていて、流れも速くなってました。

しかし負けるまいと、気合で踏ん張って、どうにか渡りきりました!

このときは、私の持っている能力が限界まで発揮されたような気がしました。

 

渡りきったら、もう雨はどしゃぶり!

カメラはどうにか大丈夫でしたが、服と三脚は水びたし!

乾かすのがタイヘンでした。

 

でも、到達困難な廃墟を撮ったという達成感が得られました。

私はとても満足でした。

よい子はマネしちゃダメですよ!

 

 

 

 

そしてこんどは、宮崎市へと向かいました。

ここでようやく見つけた、とあるホームセンター。

「ハンズマン」

ものすごいホームセンター、ハンズマン

九州にしかないこの「ハンズマン」がスゴイ!というウワサを聞いていまして、

ぜひとも寄りたいと思っていました。

何がすごいって、品揃えが半端ではないそうな。

 

期待を胸に、いざ店内へ!

すいません、店内の写真はないのですが、もうこの品揃えはスバラシイのひと言!

なんという商品密度! こりゃ一日いても飽きませんよ~。

 

岡山で何軒ものホームセンターを探し回っても見つからなかったパーツが、

ここであっさり見つかりました・・・。

いいなぁ、ハンズマン、岡山にも出店してくれないかなぁ~。

 

 

 

宮崎での目的地はホームセンターだけではありません。

廃墟ではありませんが、戦争に関係する遺構が残っています。

これは、「八紘一宇(はっこういちう)の塔」 といいます。

八紘一宇の塔を遠望

想像してたより、ずっと大きくて存在感が強かったですね。

 

「八紘一宇」とは、戦時中の日本が掲げていたスローガンのようなもので、

簡単に言うと、天皇が世界を支配するというような意味です。

これを理由にアジア各地を侵略していったそうです。

まぁでも、「八紘一宇」という言葉自体は、

絶対的な悪の言葉ではなく、ある思想を表しているだけで、

その言葉を当時の日本が利用してしただけのようですね。

 

この塔は昭和15年に建立されました。

「八紘一宇」の文字が、軍事国家日本を象徴しているようで、

なんだか言い知れぬ威圧感を覚えました。

八紘一宇と書いてあります

 

そんな塔の存在に圧倒されながら周囲を歩いていると、

なんともまぁ、脱力系な光景が見えてきました。

 

なんだ、このギャップ!?

ハニワが・・・

 

実はこの公園には、「はにわ園」という施設も併設されており、

森の中にはハニワだらけ・・・。

ちょっと多すぎですよ・・・。

ハニワがいっぱい

 

 

しかも、なんで首だけ置いてるんですかー!!

首だけって・・・

 

 

そんな宮崎のまちを後に、こんどは九州本土最南端の県、

鹿児島県と向かいました。

 

ありがとう、宮崎。 とてもいいところでした!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

では最後に・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

プハァァァァ~~~~

プハァァァァ~~~~

写真、暗くなってしまった、スマン…

 

 

2010 九州その③ (鹿児島)  へと続く


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歴史おたく

広島の原爆ドームが日本の軍事国家の終わりの象徴としたら、宮崎の平和台の八紘一宇の塔は日本の軍事国家の始まりを象徴するモニュメントですね。積み上げられているそれぞれの石には、中国や、朝鮮、ドイツなどの世界各地から運ばれてきたことを示す文字が刻まれてますよね。また、東京オリンピックの聖火のスタート地点になった所ですよ。
by 歴史おたく (2010-09-20 00:32) 

りかの配偶者

>「八紘一宇」
なんだかアンコールワットみたいですね。

高千穂鉄道は惜しいですね。
残したくても残せなかったんでしょうね。
残念ですね。
by りかの配偶者 (2010-09-20 14:46) 

ichimannet

歴史おたくさん
とても詳しくご存知ですね! 塔のところどころに、何か模様のような彫刻のようなのがある石が見られましたが、あれがその石だったのですね。どうして時々そういう石があるのか不思議でしたが、謎が解けました。どうもありがとうございます! あの石は、当時の日本の植民地にあった著名な建造物を壊してまで運んできた石だったのですね。その事実に驚きました。そんなことをしていたんですね、日本って・・・。

りかの配偶者さん
アンコールワット、私もちょっと似てるなと思っていました!
高千穂鉄道、残すためにいろいろと努力なさったのだと思いますが、流れた橋を新しく架けなおすのは、かなりきびしかったのでしょうね・・・。
あの高千穂橋梁を列車が走る姿をもう一度見たいものです。
by ichimannet (2010-09-20 19:57) 

ミムラネェ

遅れて入ってしまいました。こんにちは~
ドキドキしながら読んでしまいましたよ!(笑)
臨場感がありますね~
とにかく無事に帰って来ていて良かった!(≧▽≦)
「八紘一宇」は威圧感がありますね~
それを転じた場所のハニワ・・・なんだかホッとしました(笑)
宮崎、私もたっぷり堪能した気分です^^

by ミムラネェ (2010-09-21 13:17) 

ichimannet

ミムラネェさん
こんにちは!
宮崎を堪能していただけてよかったです。
川を渡ったところ、臨場感が出てましたか~!
私もあの時は、どうしても帰るんだというのと、機材を水に濡らしてなるものか!という思いで必死でした。
ハニワ園、今にして思えば、こんなに脱力系スポットは、もっとじっくりと見てもよかったなと、ちょっと後悔しています…。
by ichimannet (2010-09-21 23:01) 

いつか

遅れてコメントすいません。
川を渡って発電所跡に行くところ、すごいドキドキしながら読んでました!!まさに命がけですね…!イチマンさんのものすごいパワーのカメラマン魂を感じました。
八紘一宇の塔は言葉にならないものを感じました。はにわもかわいいけど、哀愁を感じました。今回の日記を読んで、いまさらながら廃墟の魅力がわかるような気持ちがしました。なんだか緑が多くて、癒される写真ばかりで素敵です…。
パン、素朴な味わいでおいしそうですね!!ありそうでないって感じですよね☆
by いつか (2010-09-22 17:16) 

ichimannet

いつかさん
コメント、いつでも大歓迎ですよ!
私は腰抜けカメラマンですよ・・・(笑) あの川渡りのあと、もうグッタリでした。私は一人で廃墟に行く為、全ての行動を自己責任で行わねばならず、あまり危険なことはやめておいたほうがいいなぁと、思ったりしています。
そうそう、はにわ園、独特の哀愁感があるかもしれないですね。八紘一宇の圧倒的な存在感の前に、ちょっとアンバランスな気がしました。
あのパン、確かにありそうでないんですよ! どうたやって作るんでしょうかねぇ?ほんまにまた食べたいです。
by ichimannet (2010-09-23 14:45) 

k-kai

岡山からはるばる宮崎くんだりまで来て下さり、こうして紹介して下さってありがとうございます。

例の発電所跡は、もっと下流側の浅瀬の部分でしたら簡単に渡れます。
それと吊り橋直下の飛び石伝いでも行けますが、重装備や岩が濡れている場合は危険です。・・・と言ってももう遅いですが。
私のサイトでも紹介していますので、どうかご覧ください。

高千穂の大鉄橋は地元自治体もその処置に頭を悩ませています。
撤去するだけでも100億円くらいかかりそうですからね・・・。
by k-kai (2010-12-12 20:27) 

ichimannet

k-kaiさん
岡山からはなかなか南九州方面に行く機会がないので、行ってよかったです!
宮崎県、とても気に入ってしまいました! のんびりしてて緑が多いところですね。また行きたです!

あの発電所の前の川、簡単に渡れたんですね・・・。
k-kaiさんの発電所の紹介記事、とても詳しくわかりやすく書かれておられますね! 行く前に見ていればよかったのに~と思います。

高千穂の鉄橋は、すごい巨大な構造物でしたね。なにかよい活用法があればいいのにと思います。
by ichimannet (2010-12-14 07:50) 

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