植物と廃なもの：イチマンネット！のブログ：SSブログ

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植物と廃なもの　[廃墟] [編集]

秋が過ぎ去ってしまおうとしている今日この時期、「植物」が恋しくて愛しく思えてくるのは私だけではないかもしれません。
なので今日は、過ぎ去った緑の季節を思い出しながら、“廃”なものといっしょに、私なりに愛でようと思います。

第二の人生としてここにやってきたが、その倉庫という役割としても、すでに使われなくなった。
でも木々と草花はどこまでも優しく見守る。

ヤブを掻き分け、どうにか君の近くへ辿り着いた。コンニチハ。

1時間半も登山しなければならない山奥で待っていたのはこんな緑の館だった。
ケーブルカーの山上駅の跡。楽園のようなところ。

戦後、長い間廃墟で在り続けた浦ノ崎造船所。
その歴史は植物の歴史でもある。

赤い消火栓と緑との組み合わせが美しい。
単独であるよりも、緑のあるほうが美しく思えることは多いのです。

道端でじっと佇む古い軽。もう自然の一部だと言ってもいいくらいだが、「3」という数字だけが最後まで人間世界を引きずり続けている。

湿気の多い場所にある廃バスは、いろいろな自然の侵食を受けやすく、その途上にある姿は誠に美しい。

特にこの、小さなプチプチとした葉っぱのつる植物が、車体を侵食していくような様子に見えて、いつまでも見ていたくなる。
こういうのを“キモカワイイ”というのだろうか。

またしても愛おしい風景に出会った。
古いレンガの壁を、ひと筋のツタが登っていた。
あまり陽の当らない場所だから、たぶんその成長はゆっくりなのだろう。
先端へゆくほどに、小さくて頼りなさげな葉。

置き去りにされた重機が、草の下で眠っていた。
しかし木漏れ日が偶然に照らしだした赤いボディは、地下で眠るマグマを彷彿とさせる。

植物といっても、緑だけでなく、枯れ草もまたいいものだ。
生命感というイメージよりは、また別の何かが溢れている気がする。

とにかく植物というものは、置き去りになっている人工物を、摂り込まんとばかりに侵食する。
傾いているのが、まるで植物の勢いで押されているように見えるからおもしろい。
よく見ると、室内までもが植物だらけだ。

使われていない公園の遊具っていうのは、こうなってしまうのだ。
しかしむしろこんなふうな、わざと植物の生い茂らせた中で遊んだりすべったりできるような遊具なんていうのがあったら、遊んでみたいって思いませんか？
私が子供ならば、いや大人になった今でもそんなことを思ってしまう。

使われなくなった木造の温室。
元々植物を栽培していた場所だから栄養豊富で、自然に還るスピードも速いかもしれない。
緑の三角形が造形作品みたいだ。
最初から意図して作ろうとしても、こうはならない。
そんなものたちに私は強く惹かれる。
それが私がそんなものたちを撮り歩いている理由である。

撮った本人でも、これはなにがなんだかわからない。
でもよく見ると「碍子」が見えるので、電柱であろう。
複数の植物が絡み合い、上へ上へと登ろうとした結果こうなるのだ。
より多くの光を得るために、より多くの子孫を残すために、皆、天を目指す。

コンクリートでできた建物に、多くの光は入ってこない。
それでも湿気は多く、溜まった土には養分もあるらしく、このように少しの草が生まれるのだ。
ここは北の大地・・・。
短い季節をめいいっぱい生ききるために、どんな悪条件であってもチャンスを逃しはしない。

夏の北海道では、どこにでも生えているフキ。
ぴんと伸びる赤い茎と、めいいっぱい光合成するための大きな葉がまばゆい。

古いテレビにさえも、土が溜まって草が生えることが許されているという器の広さ。
見習うべき点だ。

廃墟を撮っていて、その廃墟から見える緑の風景もまた絶景。

人間の営みのその小さな跡と、それを取り囲む小さな生き物たち。
地上のもの全てを人が制することができるわけではない。

廃バスの足元にだけ集中して草がある。
ここにだけ集まってきた植物みたいな、神々しい光景。
こんな状況を、何かの映画で見た記憶もある。
いや、ただバスの周辺だけ、草刈りをサボってるだけか！？

見事なツタハウス。
これを見て思うのだが、屋根にもっと茎を伸ばしてゆけば、効率よく日を受けられると思うのだが。
なぜか屋根は人気がなくて、壁面ばかりが混みあっている。
人と同じで、植物にも“身の丈にあった”場所というものが存在するようだ。

花。

木。

ツタが好きです。
廃墟の窓枠が好きです。
窓枠に添ってツタが伝うから好きです。
建物の形をツタがトレースするから好きです。

自転車もまた植物に侵食されているのをよく見かける。
このように完全に放置されてる姿もイイのだが・・・

人の生活の一部として、生き続けている姿もまたすばらしい。

その侵食がさらに進むと、植木鉢だって大自然の一部と化す。

ほんとになんという見事な状況だ！

積み荷はなんだい？
まだ届ける途中かい？

廃炭鉱の施設の下。
どうにか芽を出したが、ここではたいして太陽光は望めない。
たまたまこんな薄暗い場所に種が落ちてしまったばかりに、これらの草たちはうまく子孫へ命を繋ぐことは難しいだろう。
そんな不利な生涯でも、彼らはDNAに刻まれた通りに生きようするのである。
そんな草花たちに感情はないだろうけど、その姿に私は何かを重ねあわせないではいられない。

廃墟でよく見かける、ネジなどパーツが落ちているところ。
こんな無機的なところでも、緑があるだけで、宝の山に見えてくる。

人々の住む家が並ぶその中に、無視できない場所がある。

トリコロールな柱が、ここが理髪店であったことを物語っていた。
家を飲もうとしている植物は、勢い余ってとなりの交通標識までも飲もうとしている。
ここにはいろんな色があって見飽きることはない。